女性の髪のお悩みで一番多いのが、「髪の分け目が薄い」という悩みです。
髪の分け目が薄いと、何歳も老けて見られてしまいます。今では、髪の悩みは男性だけではありません。髪の分け目が薄くなるのは、ちゃんと原因がありますから、適切なケアをすることが必要です。
髪の分け目が薄くなる原因
1.牽引性(けんいんせい)脱毛症
分け目がいつも同じ場所・髪を結ぶ人に多く見られる
2.女性男性型脱毛症(FAGA)
分け目部分だけでなく、髪のボリュームが全体的に少なくなる・髪が細くなる
3.紫外線によるダメージ
帽子・日傘等で紫外線対策をあまりしていない人に多く見られる
4.産後脱毛症
出産後の人に見られる症状
1-1.牽引性(けんいんせい)脱毛症の原因
牽引性(けんいんせい)脱毛症とは、引っ張るなどの力で髪に負荷がかかり、髪が抜けたり、ちぎれたりして起こる症状です。
牽引性(けんいんせい)脱毛症になりやすい人
① 分け目を変えずに、常に同じ場所を分けている人
② 髪を頻繁に結んでいる人
③ ヘアピンなどでよく髪を留める人
1-2.牽引性(けんいんせい)脱毛症の対策
① 分け目を変えよう
いつも同じ分け目の人は、分け目を変えて、髪にかかる負荷を分散させましょう。
また、分け目がいつも同じ人は、頭皮において、いつも同じ場所がむき出しとなり、紫外線のダメージを受けやすくなり、脱毛の症状が進行する可能性もあります。
② 髪を結ぶ位置を変えよう
髪を結ぶ場所を変えて、髪が引っ張られる力を、分散させましょう。または、髪の毛を結ばない日があってもいいでしょう。
③ 髪が長い人は、髪を短くカットするのもアリ!
髪が長いと、何かと髪に負荷がかかりやすくなります。たとえば、洗髪や髪を乾かすときも髪が引っ張られますし、髪が短い人に比べて作業の時間がかかることで、さらに髪に負荷がかかります。思い切って、髪を短くするのもいいでしょう。
2-1.女性男性型脱毛症(FAGA)の原因
女性男性型脱毛症(FAGA)は、男性ホルモンの影響や遺伝などによって起こる脱毛症状です。
女性でも男性ホルモンの影響を受けるの!?
女性も、男性ほどではないですが、男性ホルモンが微量に分泌されています。しかしながら、加齢・女性ホルモンのバランスの崩れ・卵巣機能の低下などで、男性ホルモンの分泌が女性ホルモンより優位になることがあります。
つまり、女性ホルモンの分泌が少なくなることで、男性ホルモンの分泌量の割合が高くなり、結果として脱毛症状を起こすのです。
【男性ホルモンの分泌が増えることで見られる主な症状】
・抜け毛が増える
・脂肌になる
・体毛が濃くなる
・あごのニキビが増える
・体臭が強くなる
・性欲が強くなる
・イライラしやすくなる
女性ホルモンの分泌量が少なくなる原因
・加齢
・ストレス
・生活習慣の乱れ(栄養不足、睡眠不足など)
・たばこ、お酒
・ダイエット
・冷え性(卵巣機能が低下するから)
女性男性型脱毛症(FAGA)だと疑われる症状
・髪のボリュームが少なくなった
・髪の毛が細くなった
・抜け毛が多くなった
・髪質が変化した
・髪にツヤがなくなった
・生え際のうぶ毛がなくなった
女性男性型脱毛症(FAGA)の進行
Ⅰ型
全体的に髪のボリュームがなくなっている 髪の分け目は、うっすらと地肌が見える
Ⅱ型
Ⅰ型からさらに悪化して、さらに髪のボリュームがなくなり、地肌が見える部分も広がる
Ⅲ型
Ⅱ型からさらに悪化して、分け目でなくても、通常の状態で地肌のかなりの部分が透けて見える
2-2.女性男性型脱毛症(FAGA)の対策
① 乱れた生活習慣を改善しよう!
【睡眠をしっかり取る】
睡眠不足は、ホルモンバランスの崩れや、自律神経の乱れを誘発します。睡眠をしっかり取って、規則正しい生活を送るようにしましょう!
【適度に運動をする】
適度な運動は、血行を促進し、髪に必要な栄養を髪に届けてくれます。毎日適度に運動することが必要です。たとえば、普段自転車や車を使っていて、それが歩ける距離ならばウォーキングしてみるとか、続けやすい運動を考えてみましょう。
また、運動はストレス発散にもいいです。ストレスを溜め込むことも、女性ホルモンの分泌を阻害するんですよ!
② 育毛に効果のある栄養を取ろう!
栄養はとっても大事です。栄養分がなければ、草木が枯れるのと一緒で、髪が抜けますし、あらたに髪が生えたりはしません。主に二つの目的のための栄養を取るべきです。
(1) 女性ホルモンの分泌を促すための栄養
・たんぱく質(体を作る原料になる)
・コレステロール(女性ホルモンの原料となる)
・イソフラボン(女性ホルモンのエストロゲンと同じ働きをする)
・鉄分(体中に酸素を運ぶ)
・ビタミンB群(エネルギーを作るのに欠かせない)
(2) 育毛を促すための栄養
・たんぱく質(髪の毛の原料になる)
・亜鉛(髪を作る)
・鉄分(酸素と栄養を運ぶ)
・銅(髪、皮膚を健康に保つ)
・ビタミンB2(皮膚や髪の毛の代謝を促す)
・ビタミンE(血行促進、高酸化作用)
・ピチオン(薄毛を予防する)
・パントテン酸(毛根に栄養を与える)
・葉酸(細胞分裂を助ける)
③ 頭皮マッサージをしよう!
上記の栄養を摂取したら、栄養を頭皮に届けるために、血行促進の頭皮マッサージをしましょう!頭皮が硬いと、指でマッサージしても上下にカクカク動きません。そういう人は、血行不良の可能性が高いです。日々のマッサージで頭皮がだんだんと柔らかくなり、血行が良くなりますよ!
④ 冷え性の人は体を温めよう!
冷え性の人は、体中の血行が悪くなり、栄養が体全体に行き届きません。
シャワーだけで済ませている人は、ちゃんと湯船に浸かって、体を温めましょう!
体全体へのマッサージも効果的です。
また、ココア・生姜・唐辛子・ねぎなど、体を温める効果のある食べ物を積極的に取りましょう!
⑤ タバコを思い切ってやめよう!
喫煙は、血管を収縮させ、血の流れを悪くします。結果的に、体に充分に酸素と栄養を運べなくなります。結果的に、頭皮に十分な栄養が行き届かなくなります。
⑥ 必要ならば病院に行こう!
脱毛症が改善されない、または、脱毛症が悪化する場合は、育毛外来、もしくは皮膚科に行くのも手です。個人の症状にあわせ、内服薬・外用薬を処方してもらえます。また、薬剤の頭皮への注入や、レーザー治療など、早期回復が目指した治療もあります。まずは、お医者さんに相談しましょう!
3-1.紫外線によるダメージの原因
顔や体のUVケアをしっかりしている人は多いですが、頭皮のUVケアをおろそかになりがちです。頭は、紫外線が最も強く当たる場所であることを認識して、紫外線対策をする必要があります。
紫外線は細胞にダメージを与える
紫外線は、細胞やDNAをダメージを与え、損傷させるのです。
一方、髪の毛は、毛母細胞が分裂していき成長していきます。ここで、紫外線により、毛母細胞が紫外線により損傷を受けると、髪の毛が育たなくなったり、抜けたりと、トラブルを招くのです。
3-2.紫外線によるダメージの対策
日傘・帽子・頭皮用日焼け止めで紫外線対策をしっかりする
特に、分け目の位置を固定している人で、紫外線対策をしていない方は、分け目からむき出しになった頭皮に、紫外線が当たり続けます。部分的に頭皮は大きなダメージを受けますので、しっかりと紫外線対策をしましょう!
4-1.産後脱毛症の原因
出産や妊娠時に、脱毛症状が現われることがあります。これは、出産・妊娠によって、女性ホルモンのバランスが崩れて、抜け毛や髪が細くなるなどの症状が出るからです。
産後脱毛症は、およそ7割の方が経験するので、出産・妊娠時にはごくごく自然なことと考えましょう。
4-2.産後脱毛症の対策
産後脱毛症は一時的なことなので、特に対策は必要ないでしょう。平均して、半年ほどで症状は落ち着きます。
まとめ
「髪は女性の命」と言われるくらいですから、脱毛症は、女性にとって深刻な問題です。「まだ私は大丈夫だ」と思って対策が遅れると、後々悪化の一途をたどる可能性があります。また、自分が薄毛だと認めたくなくて、対策が遅れる、または対策をせずに、後に後悔する方もいるかもしれません。
脱毛症・育毛のケアにおいては、遅すぎることはあっても、早すぎるということはありません。早ければ早いほどいいのです。女性の脱毛症は、加齢による原因だけでなく、若くとも脱毛症の疑いの人は多くいます。まずは、以前より髪質・毛量・分け目に変化があるか確認しましょう。以前より少しでも変化を感じたならば、何が原因で、そして、どういう対策を取るべきか、を考えるところから始めましょう!