多くの女性が抱える悩みのひとつとして便秘があります。
ここではそんな便秘について詳しく説明していきます。
原因・デメリットなど、便秘についてしっかり理解するための参考にしてください。
目次
1.便秘とは?
2.女性に便秘が多い理由
3.便秘のデメリット
4.便秘のタイプ
5.便秘の原因
6.便秘の改善方法
7.便秘解消に役立つお助けアイテム
1.便秘とは?
腸内に腐ったものが長期間溜まった状態のことを「便秘」です。
良い腸内環境が保たれていれば、食べたものが消化され排便するまで24時間ほどで行われます。
「3日以上排便がない状態」を便秘と呼ぶことも多いですが、排便は1日1回が目安なので、それより頻度が少ない場合は「便秘」だと考えてよいでしょう。
2.女性に便秘が多い理由
便秘は特に女性に多い症状となっており、日本では半数以上の女性が便秘に悩まされています。
ここでは「なぜ便秘は女性に多いのか?」について説明していきましょう。
(1)黄体ホルモンの影響
女性ホルモンのひとつに黄体ホルモンがあります。
これは
・水分や塩分を溜め込むように身体に指示を出す
・妊娠時に流産を阻止するため、子宮筋の収縮を抑制する
といった働きがあります。
黄体ホルモンによって
・大腸の腸壁から便の水分が吸収されて便が固くなる
・妊娠時の働きが腸にも影響する
ため、便秘を起こす要因となるのです。
そのため特に黄体ホルモンが多くなる、妊娠初期・月経前などは便秘になりやすくなります。
(2)腹筋が弱い
女性は男性に比べて筋肉量が少なく、腹筋が弱いです。
そのため男性よりも大腸が便を送り出す力が弱いので、便秘になる可能性が高まります。
(3)我慢することが多い
女性は男性に比べ、トイレを我慢することが多いです。
それがストレスになり、便秘につながることも少なくありません。
また旅行や出張など環境の変化によるストレスを受けやすいので、普段と違う場所に行くときは注意が必要です。
3.便秘のデメリット
多くの女性が悩まされる便秘ですが、ここではそのデメリットについて書いています。
下記の内容など便秘のことをしっかり理解することも、イキイキとした日々を送るために重要です。
(1)太りやすくなる
便秘になることのデメリットとして大きいのは、身体の中に太りやすいサイクルが出来上がってしまうことです。
正常な腸内環境の方であれば、1日1回程度の排便があり、そこで体内に必要のないものを排出します。
しかし便秘になって排便の頻度が少なくなると、腸の中で時間をかけて栄養を吸収するようになります。
栄養の吸収に時間がかかることでエネルギーの代謝が落ち、太りやすい身体になってしまうのです。
(2)肌荒れ
便秘によって腸内環境が悪くなるため、腸の中で溜まった悪玉菌が有害物質を発生させます。
それが腸壁に吸収され血液中をめぐると、肌荒れを引き起こすこともあります。
だからこそキレイな肌を保ちたい女性にとっても、便秘は改善すべきことのひとつとなるのです。
(3)病気になりやすい
腸壁から有害物質が血液中にめぐると、それが原因で病気になることもあります。
便秘が原因の病気として深刻なもののひとつが「大腸がん」です。
命に関係する「大腸がん」はある程度年齢を重ねた方の発生率が高い病気ですが、若いうちから便秘になる習慣が続くと将来発症する可能性が高まるので、早い段階で改善に努める必要があります。
4.便秘のタイプ
ひとことで「便秘」といっても、その中にはいくつかの種類があります。
ここでは便秘のタイプについて説明していきましょう。
(1)弛緩性便秘
大腸の筋力が低下し、便を肛門へと押し出す運動が弱くなっていることが原因の便秘のことです。
便意があるのにお腹が張ってしまうといった状態になります。
トイレに行ってもすっきりした感じが少ない場合も、「弛緩性便秘」にあたります。
・運動不足
・加齢
・出産
などが原因で起こることが多いです。
(2)痙攣性便秘
自律神経の乱れによって起こる便秘のことです。
疲れ・ストレスなどが原因となります。
以下のような症状があらわれることが特徴です。
・残便感
・便秘と下痢が交互に起こる
・食欲の低下
・便がコロコロする
・便が固い
(3)直腸性便秘
便意が伝わらないことによって起こる便秘のことです。
主に普段から便を我慢し過ぎるという生活習慣が原因となります。
若い女性や子供がなりやすい症状ですが、
・朝など時間がないからと便を我慢する
・外出先などでは恥ずかしくて排便ができない
といった方もなりやすいです。
5.便秘の原因
ここでは便秘になる原因について書いています。
生活習慣が原因で便秘になるケースも多いので、自分に当てはまることがあった場合は、その部分に気を付けて生活することが大切です。
(1)不規則な生活
会社や学校で忙しい毎日を送っている、マスコミ関係や芸術系など特殊な領域の仕事をしている人も少なくありません。
そのような方は、食事や睡眠の時間が日によって異なるなど、生活が不規則になってしまいがちです。
不規則な生活を送ることで自律神経が乱れ、腸の働きが悪くなることで便秘になります。
(2)偏った食生活
栄養バランスの偏った食生活も、便秘になる要因です。
時間をかけずに安く食べられるものばかりだと、食物繊維が不足しがちになり、便秘につながってしまいます。
ただ食物繊維を多く摂れば良いのではなく、肉・ビタミン・野菜などバランス良く食べていないと、腸内環境が悪くなる傾向にあります。
若い女性の中には
・パン
・パスタ
・サラダ
などを中心とした食生活を送っている方もいますが、これらだけでは便になりにくいので注意しましょう。
(3)運動不足
普段の生活の中で運動する習慣がついてない人も、便秘になりやすい傾向にあります。
排便するためには腹筋・腸腰筋などが必要となり、これらが弱いと腸から便を出す力が少なくなるため、適度に運動をすることも大切です。
規則正しい生活をする・栄養バランス良く食事を摂るといったことを行っていても、普段からほとんど運動しない・通勤や通学で歩かないといった生活を送っていると、便秘になる可能性が高まることを頭に入れておくと良いでしょう。
(4)無理なダイエット
パートナーに好かれたい・キレイになりたいなどの理由で、無理なダイエットを行う女性も少なくありません。
特に食事量を大きく減らすダイエットは、腸のぜん動運動に影響を及ぼし、便秘の原因となることも多いです。
また食事を少なくすることによって、腸内環境を良くする食物繊維の摂取量が少なくなることも便秘につながってしまいます。
(5)病気や薬の影響
糖尿病・甲状腺の機能低下などといった全身の疾患が原因となって、便秘になることもあります。
また
・抗コリン薬(鎮痛剤などとして使われている)
・降圧薬
・鉄剤
・モルヒネなどの鎮痛薬
などの薬が原因で、腸のぜん動運動などが抑制され、便秘につながることもあります。
6.便秘の改善方法
上でも書いたように、便秘は生活習慣の乱れが原因になっていることも多いです。
そのため生活習慣を改善することで、大きく改善できる症状でもあります。
ここではそんな便秘の改善方法について
・普段の生活を見直すことで症状改善につながる「生活習慣に関すること」
・マッサージなど、生活に取り入れることで便秘改善に役立つ「便秘改善に役立つこと」
に分けて説明していますので参考にしてくださいね。
生活習慣に関すること
(1)規則正しい生活をする
便秘を解消するためには、食事・睡眠などをできるだけ決まった時間に行うなど、規則正しい生活をすることが大切です。
生活リズムを保つことで腸の働きも正常化され、しっかり排便を行うことができ、便秘改善につながるでしょう。
・朝ご飯をしっかり食べる
・1日3食をできるだけ決まった時間に摂る
・睡眠時間を確保する
といったことを意識して実行することで、便秘の症状が大分良くなります。
(2)食生活の改善
栄養バランスの取れた食事をすることも、便秘改善には必要です。
基本的には偏ることなく様々なものを食べるのが良いですが、腸内環境を良くして便秘を改善するためには、乳酸菌・食物繊維が豊富なものを多めに摂ると良いでしょう。
腸内環境に良い食べ物は以下の通りです。
【乳酸菌が豊富な食べ物】
・納豆
・キムチ
・ヨーグルト
・チーズ
【食物繊維が豊富な食べ物】
・イモ類(さつまいも、山芋など)
・キノコ類(しめじ、しいたけなど)
・海藻類(わかめ、こんぶ、ひじきなど)
・果物(りんご、バナナ、柿など)
・ナッツ類(アーモンド、落花生、くるみなど)
・豆類(大豆、きな粉、枝豆など)
・野菜(かぼちゃ、大根、ごぼうなど)
・乾物(きくらげ、干ししいたけ、干し大根など)
また「オリーブオイル」も小腸を刺激し、スムーズな排便を促してくれます。
・料理に使用する
・スプーン1杯を毎朝飲む
などオリーブオイルを摂取することで、便秘解消に役立ちます。
(3)適度な運動
便秘解消のためには普段から運動をすることが大切ですが、激しい運動をする必要はありません。
ウォーキング・ジョギングなど軽く汗をかく程度の運動も、腸腰筋・腹筋などを鍛え、便を押し出すことにつながります。
週に2~3回など、継続して行える、負担のかからない範囲で行うことも大切です。
またこれらの運動以外に、腹筋などを取り入れるのも、便秘解消に役立ちます。
(4)トイレを我慢しない
便秘の中には排便を我慢することで起こる「直腸性便秘」があります。
それを解消するためには、便が出たくなったときに我慢するのではなく、すぐにトイレに行く習慣を身に付けることも大切です。
恥ずかしいと思う方もいるかと思いますが、便秘の予防・改善のためには、できるだけ出たくなったときに排便を行うようにすることが大切となります。
(5)こまめに水分補給を行う
便秘を改善するためには、腸にしっかり水分があることも大切です。
老廃物が流れやすい状態にする・腸に刺激を与えるなど、腸内環境を正常に保つに水分は重要な働きをします。
水分は口にした量の10分の1程度しか届かないため、しっかり水分補給をすることが大切です。
水分補給を行う際は、下記のことを意識すると良いでしょう。
① 少しずつこまめに水分補給をする
夏場などは汗で水分が出てしまうので、しっかり水分を摂ることが大切
② 朝起きてすぐに水を飲む
腸が刺激されてスムーズに便が出る。冷え性の方は白湯を飲むと良い
③ レモンなどを入れて飲む
ビタミンCを多く含む野菜や果物は、腸内細菌を増やし、便秘の改善に効果があります
④ 硬水を摂るようにする
硬水はマグネシウムやカリウムが豊富に含まれ、便を柔らかくする効果があります
便秘改善に役立つこと
(1)マッサージ
腸内環境を良くし便秘を改善・予防するためには、腸のマッサージを行うことも良いでしょう。
自宅などで空いた時間に行うことができることも、マッサージの魅力です。
方法は以下の通りです。
① 仰向けに寝て、おへそ周りを時計回りにゆっくりと擦る
② 深呼吸をするなどリラックスした状態で行う
強い刺激ではなく、あくまでも優しくお腹周りを擦るように行うことが大切です。
このマッサージは1度に100回以上を、毎日継続して行うことで効果が高まります。
また
・食事から3時間程度経過後
・お風呂上がりで身体が温まった状態
に行うとより良いです。
(2)ツボ押し
全身には便秘に効くツボも複数存在しています。
便秘を改善・予防するためには、普段の生活の中にツボ押しも取り入れると良いでしょう。
便秘に効くツボは以下の通りです。
① 間使(かんし)
手首の横じわから指4本離れた、2本の筋の間にあるツボです。
即効性があるので、すぐに症状を改善させたいときに押すと良いでしょう。
② 足の三里
足の膝のお皿の外側にあるくぼみから、指4本ほど下がったところにあるツボです。
胃腸の働きを良くする効果があるため、便秘の改善にも役立ちます。
③ 大巨(だいこ)
おへそから左右に指2本分外側から、指2本半程度下に下がったところにあるツボです。
便秘の場合はこの部分が硬くなっていることが多いので、自分が便秘かどうかを判断するのにも役立ちます。
7.便秘解消に役立つお助けアイテム
ここでは便秘の解消に役立つお助けアイテムを紹介していきます。
基本的には粉末状の食物繊維、ティーパックのお茶が多く、毎日の食生活の中で摂取することが可能です。
またトクホの商品が多いので、高い効果が期待できることも特徴となります。
そして、ヨーグルト・寒天ゼリーのように、毎日の食事の中に「もう一品」といった形で摂取することで便秘改善につながるものも紹介していますので、参考にしてくださいね。
食物繊維
(1)イージーファイバー 食物繊維(小林製薬)
こちらは「トクホ」として認められた人気商品で、CMなどでもおなじみです。
1パックでもしっかりと食物繊維を摂ることができるだけでなく、どんな食べ物や飲み物に入れてもサッと溶け、味や成分を変えないことも特徴となります。
身体に負担をかけないため、妊娠中・年配の方でも安心して利用できます。
さらに小さいスティックタイプのため持ち運びも簡単。
外食の際にこちらの商品を使用して、食物繊維を補うことも可能です。
(2)デキストリン(アコール)
1スティックでレタス10玉分の水溶性植物繊維を摂取できる、粉末状の健康補助食品です。
飲み物や料理などに入れて摂取することができることも特徴で、オリゴ糖のほのかな甘みがあるものの入れたものの味にはほとんど影響しません。
脂っぽいもの・甘いものと一緒に摂る(食事のときか食後30分以内)ことで高い効果を発揮するため、普段からカロリーの高いものを食べる方にもオススメできる商品です。
ティーパック
(1)通源(東洋漢方製薬)
「通源」は漢方の便秘薬であり、ティーパックで蒸らしてお茶のように摂取することができます。
排便を促すセンナ・ダイオウ、腸の運動を調節するシャクヤク・カンゾウなどが配合されているため、高い効果が期待できる商品です。
(2)でるでる茶(彩香)
様々な成分を配合したナチュラルハーブティーです。
食物繊維が豊富(キャベツの約12倍、ごぼうの約6倍)で「フラボノイド」「センノシド」などの成分を含んだ「キャンドルブッシュ」など、自然由来の成分を多数配合しています。
プーアル茶・ルイボスティー・ハブ茶などをブレンドしていることも特徴です。
そのため便秘の改善はもちろん、健康的な生活を送るためにもオススメできる商品です。
普段の生活にもう一品
(1)ドリンクヨーグルト おなかへGG!(タカナシ)
トクホのヨーグルトドリンクです。
腸内の良い菌を増やし、悪い菌を減らす効果のある乳酸菌を使っており、腸内環境を良くするのに役立ちます。
100mlとコンパクトなサイズで、
・毎日続けられる
・持ち運びが楽
といったことも特長です。
(2)寒天ゼリー(アイエーフーズ)
寒天を使ったゼリーで、カロリーが「0」なので罪悪感なく食べることができます。
食物繊維が豊富な寒天で作られているので、便秘の改善や予防にも効果的です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「便秘」について書きました。
上でも書いたように、偏った食事や運動不足など生活習慣が原因で便秘になることも少なくありません。
そのため便秘を改善するためには、規則正しい生活を心がけることも大切です。
お助けアイテムも食物繊維を毎日の食事で摂取できる商品が多いので、活用することで便秘解消に役立ちます。
便秘にお悩みの方は、ここで書いてあることを、自分に合った方法で便秘対策を行うときの参考にしてくださいね。