合コンの話

24歳の時の事です。コールセンターに勤めていた私は接客も無く、社員以外からは姿を見られないのを良い事に、すっぴんに眼鏡、服はパーカーにジーンズという地味な姿で大きめのリュックを背負って会社に通い、
家に帰ったらアニメや漫画を見て推しのキャラクターとのドラマチックな恋愛妄想をする日々を送っていました。

そんな毎日を送っていたある日、給湯室へ向かうと後輩達の話し声が聞こえてきた。

内容は私に対する悪口だった。

「話し方がイラつく」
「私たち女子社員の平均レベルを落としている」
「あの笑い方キモい」
「オタクってのがすでに無理w」

そんな内容だった。

女子が多い職場だったのでこんな事はよくある事だし、彼女達から他の女子社員の悪口を聞く事もあったので気にする事は無いと思っていた。

ある一言を聞くまでは。

「あの岡田さん(私)が好きなアニメも全部キモい系じゃない?あのデスクに置いてあるフィギュア、マジキモかったんだけどw」

私の推しが…キモい?

今まで自分をバカにされる事はよくあった。こんな見た目だし仕方ないと思っていた。
でも私が愛する推しがバカにされて、まるで身内をバカにされているように悔しくて、、。

どんなに辛い仕事があっても、ゆとりゆとりとバカにされても耐えてきた。
家に帰れば推しに会えると思っていたし、頑張ればちゃんとお給料がもらえて大好きな推しのグッズが買えたから。私の推しが、私が好きってだけで否定されているのが悲しかった。
入社して4年、初めて会社のトイレで泣いた。

散々泣いたあとデスクに戻ると、さっきまで私の悪口を言っていた後輩が仕事の事で話しかけてきたので
私はあわててバカにされていたフィギュアを隠した。

あれ、私、何で隠さなくきゃいけないんだっけ。

何も悪い事していないのに、推しのフィギュアを恥ずかしいものとして認識してしまった。
何であんなやつの目を気にしなきゃいけないんだ。何で彼が馬鹿にされなきゃいけないんだ。。

私がそのアニメを好きにならなければ…、私がオタクじゃなければ…、私が生まれなければ、彼を悲しませなくてすんだのに…。

いや、違う。

可愛らしいモデルや芸能人はどんな奇抜なファッションをしていても肯定される。

そうか、私がこんな見た目だからか!

私がもっとイケイケでおしゃれで可愛かったら
堂々と彼らを愛する事が出来るのかもしれない!!

その日から私はアニメや漫画を見る事を一旦止めて、動画サイトでメイク動画を見漁った。
休みの日は外にでてすれ違う女性達のファッションや仕草を研究し、
夜は恋愛ドラマを見るようにした。
外見だけ変えても中身が伴っていなければあの後輩みたいになってしまうと思い、
モテる女の思考や行動についても研究し、出来るだけそれに近づく努力もした。

そんなある日、
「先輩って人間の男って興味あります?」と
私の推しキャラを愚弄していた後輩が話しかけてきた。
どうやら5対5の合コンの主催をする事になったらしく、人数集めに苦労しているらしい。

人間の男に興味あるかってかなり失礼だと思ったが、そこには触れず、
「私なんかで良ければ…」と後輩とラインを交換した。

そして合コン当日、
私は今まで勉強したことをフルに使い
髪、メイク、ファッションを自分なりに完璧に仕上げて向かった。
後輩は主催のくせに遅れて来るとの事だったので、後輩抜きの
5対4で合コンが始まった。

女性側は4人全員が初めましての状態だったが
男性達5人は地元の同級生らしく、和気あいあいと話しやすい空気を作ってくれたので、
女性側もいい感じで盛り上がり、話に花が咲いた。

そして30分遅れで後輩登場。
「ごめんなさい!仕事が終わらなくてっ(泣」
と申し訳なさそうに入ってきたけど、嘘だよね仕事終わらないとか。
だって普段休日出勤とかしないじゃん君。

改めて5対5で合コンが始まると、そこからは地獄だった。

後輩が少しぽっちゃりの女友達A子を捕まえて
「この子、本当にかわいいんですよ!もう妹みたいに可愛がってて~」
と、A子にやたら顔を近づけて自分の顔小さいアピール。

確かにA子の隣にいると後輩の可愛さが際立ってしまうんだけど、
性格の悪さは丸見え。でもこういう女の計算って、男はあまり気づかないものなのかね。

続いて後輩によるB子、C子の紹介が終わり、私の番。

「先輩、今日化粧とか服とかバッチリじゃないですか!かわいいー!」

はいはい、男の前だからってどんだけ気合い入れてきてんだよって言いたいのね。。

すると男性の一人が
「いつもは違うの?俺岡田さんの服装めっちゃタイプだわ」って。

今まで頑張った成果が少しあったのかなって嬉しくなって気持ち悪い笑い方しそうになったけど、
本で読んだモテる女の仕草あいさつ編で学んだ、男がキュンとくる『ありがとう』の言い方を実行してみた。
ムフフフ…ちょっと効果アリだったっぽい。

そんなやりとりを後輩はよく思わなかったのだろう、
「先輩って、こんな可愛いのにアニメのキャラに恋してるんですよー、ラインのアイコンも…ほら!可愛いのに!もったいないですよねー(泣」

その瞬間場が一瞬静まり返る。

みんな、2次元に恋する私に引いたのかな。
でも別にどうってことない。辛くもない。
3次元が残酷な世界である事は知ってた。
だから2次元を愛したんだもん。
キモくて結構。。

せっかくの楽しい時間を台無しにしちゃったかなって少し落ち込んでいたら

男性陣の一人が声をかけてくれた。
「ねえ、それって前に夜中やってたアニメだよね。一話しか見てないけど確かめっちゃ面白かった!」

「ああ!そういえば、DVD出たらまとめて見たいって言ってたアニメ?」

「そうそう!俺連続もの一週間待てないからさー、全部終わった後見たいって思ってたんだよね。何てアニメだっけ」

私「あ、◯◯ってアニメです。。もうDVD出てますよ。」

「まじか!見なきゃ!」

そんな感じでさっきの重い空気が嘘のように場が一気に盛り上がった。すると後輩の女友達達も

「私も見ました!あの…作者が同じなんですけど、私、△△ってアニメも好きで…」

「えー!みんなアニメ好きなんだー!今度鑑賞会とかどうよ?」

「良いですね!私DVD持っていきます!」

それからは各自オススメの漫画やアニメの話で盛り上がり、
話が分からない後輩はほとんど蚊帳の外。
放っとくわけにもいかず、話を振ってみたりするけど完全に不機嫌モード。
正直ちょっとだけざまぁみろって思った。

何かね、最初は私が好きなアニメをバカにされた事が許せなくて、見返してやりたい!って気持ちでメイクやファッションについて勉強してたけど、
可愛くなるってことを考えていくうちに、もちろん見た目はある程度はちゃんとしてた方がいいけど、思いやりある行動が出来たり、ニコニコ愛嬌があったり、素直に行動したり出来る人が本当に可愛いってことなのかなって思いました。

3次元の男の子はまだちょっと苦手だけど、あの合コンで会った男性陣とは
今でもオタク仲間として仲良くしてます。

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