いじめられっ子の恋愛

中学2年生の時、クラスの中でも大人しめで、いじめられっ子だった私は、同学年のいわゆるヤンキーの男の子に恋をしていました。

いつも4~5人で集まってイタズラをしていて、先生に呼び出される事は日常茶飯事。
50分の授業がまるまるヤンキー達への指導の時間になったこともありました。

私の好きな男の子、タイチ君はヤンキー達のリーダー。顔立ちはさわやか、中学生の割には身長も高く、カラダも細マッチョで、女子人気も高かったので、私みたいな地味な女子が相手にされるわけが無い事は分かっていたのですが、
その頃はちょっと遠目から見ているだけでも幸せを感じられたので、それだけで十分だったのです。

ある日の放課後、教室に忘れ物を取りにいくと、そこにはタイチ君の姿が。
慌ててドアの影に隠れてこっそり教室を覗くと、
私に何かと嫌がらせをしてくる3年生の女子と二人きりでキスをしていました。

今までテレビや漫画でしか見た事なかったキスを間近で見てしまった。
自分の大好きな男の子が自分以外の女子とキスを…
しかも超性格の悪いいじめっ子の先輩と。

色々な考えが頭を巡ってパニックになった私は、
何故か堂々と教室に置き忘れていたノートを取りに入った。

二人は一瞬ビックリしていたが、目撃されたかもしれないという焦りなのか、
目をきょろきょろさせながら私の事を気にしていないような素振りをしていた。

それから私はその出来事を忘れる為に勉強に没頭した。
勉強はあまり好きではなかったけど、何もしていない時間があると
どうしても彼の事を考えてしまっていたので、勉強して余計な事を考えないようにしていたら、3年の2学期には全教科で学年一位になっていた。。

そして高校生になった私は、いつの間にかあの出来事の事は忘れ、
楽しい高校生活を送っていた。
実はタイチ君も同じ高校に進学していたんだけど…
中学3年の時にずっと一緒につるんでいたヤンキー友達にいじめられたらしく、高校ではすっかり目立たない存在になっていた。

私は私で、勉強が出来て、先生達からも好かれていたので、
徐々にヤンキー化していった。

ヤンキー化といっても、誰かをいじめるとか、授業妨害をするとかではなく、
教室で大声だして話せるようになったり、男子達と喋るようになったり、イケてる先輩に色目をつかったり…、学校でもまぁまぁ目立つ存在って感じ。

地味だった私からしたら
学校の誰の目も気にせず振る舞える=ヤンキー
だったので、ヤンキー化と表現したけど、つまり、イケイケになったってことです。笑

ある日、教室で一つ上の先輩に告白された。
色目は使ったけど、興味はなかったので断ろうとしたその時、
教室の前を通るタイチ君と目が合った。

ふと、あの出来事が蘇る。
あの頃教室で感じた何とも言えない苦い気持ち。
あそこに居るのが先輩でなく私だったら…と何度考えたことか。

あれから3年も経っているのに、昨日の事のように
怒りや悔しさがこみ上げてきて、
私はタイチ君の目の前で先輩にキスをした。

どうだ、あの時の気持ち、わかったか!
そんな気持ちでキスをしてみたけど、
私に興味がない人に見せつけたとしても意味がないんだな。
なんでキスしちゃったんだろ…。

そんな事を考えていたら、
タイチ君が教室の中に入ってきて、
「先輩、彼女いるじゃないっすか。何してるんすか」

驚く先輩。固まる私。

久々にタイチ君の声を聞いた。しかも高校に入ってからはおとなしい男の子だったはずの彼は、今にも先輩に殴りかかりそうな、そんな雰囲気を醸し出していた。

私は「そうだったんですか?最低ですね。先輩とは付き合えないです。」
と、元々付き合う気はなかったけど、その場を一旦整理したくて
先輩に教室から出て行ってもらった。

「教えてくれてありがとうねー。危うく二股かけられるとこだった」

「先輩のこと好きだったの?」

「…いや、別に好きとかじゃなかったかもねぇ」

「じゃあなんでキスしたの」

「……」

普段だったら「ちょっと口と口触れあっちゃっただけだよ~」とか言えるキャラに私はなったはずなのに、
その時は中学生の頃に戻ったかのように、喋りだす事が出来なかった。

重い空気が漂う中、タイチ君が口を開く。

「お前の事が好きだった。中学で一緒になってからずっと。」

「え?」

「目立てば振り向いてもらえるって思ってた。」

私は意味が分からなかった。じゃあ何でキスしてたの?って聞きたいけど、声が出ない。

「3年になってからお前と同じ高校に行きたくて、勉強した。」

驚きでなのか、悔しさでなのか…。私はいつの間にか泣いていて、混乱しながらも声を振り絞って言った。

「あの時、私がどんな思いをしたか…」

彼は最初、何の事か分からなかったみたいだったけれど、
その後、私が落ち着いてからあの出来事の事を話してくれた。

中学校に入ってからずっと私を好きで目立とうとしていたこと。
高校に入ってからも、いつか堂々と告白出来るように、真面目に登校していたこと。

そしていじめっ子の先輩とキスしていた事については。。

「何回も告白されてて、しかも俺がお前の事好きなのを知っててお前をいじめてたから、止めさせないとって思って。」

「…それで、付き合ったの?」

「ううん。断った。そしたら俺がいじめに合っちゃって。でも勉強しないとって思って1年間耐えた。」

そう話してくれた。

タイチ君はヤンキーだったけど、元々私がタイチ君を好きになった理由はそういうところだった。

いじめられてる男の子の隠された上履きを、そっと靴箱に入れてあげてたり、
よくある教室での犯人探しのとき、何もしていないのに自分がやった事だと言ったり。
今までも私が知らないところで、きっと守ってくれていたんだな。。
そう思うと、私も彼を守ってあげたいと強く思うようになった。

それから今は、一家の大黒柱として、私と子どもを守ってくれています。
彼が疲れたり、落ち込んだり、何か合った時は私が全力で守るつもりです。

関連記事

宅配便ごっこ

セックスレス

彼氏と赤ちゃんプレイ

合コンの話

痴漢の話

友達と3P